東京お散歩日和
ステラリア倶楽部神楽坂びより

梅花亭の餡

こしあんと白あんの2種類がある鮎の天ぷら最中 240円

梅花亭ポルタ神楽坂店

店先の風情あるもてなし

 昭和10年創業の和菓子店。神楽坂に店を移転させるや否や、周辺の出版社に勤務する女性編集者たちの評判となり瞬く間に「神楽坂に梅花亭あり」と広まった。今では、営団地下鉄東西線神楽坂駅からすぐの処とJR・地下鉄飯田橋駅近くの神楽坂通りにも店舗がある。

 定番中の定番商品は、初代が考案したという『鮎の天ぷら最中』であろう。最中の皮を一度、菜種油で揚げて餡を入れ10時間ほど寝かせたもので香ばしい香りとともに餡と馴染んだしっとり感がある。口に入れた時に流れる小豆の風味が何とも味わい深い。濃い目の日本茶やコーヒーと一緒にいただくことがほとんど。

 手土産にする事も多く、そんな時はいつも店の方が「これは常温で」「これは冷蔵庫に入れて○○日ほど」などなど細かなアドバイスをしてくれる。最初のころは、随分日持ちがしないお菓子、と、いう印象を持ってしまったが聞いてみると、餡の作り方も生地の作り方も、種類によって違うという。それを聞いて「なるほど添加物を入れない」ということはまさにこういうことと納得した。

 さまざまな種類のお菓子をいただいているうちに、季節限定の品が楽しみになった。事務所から店までは4分ほど。仕事の合間にちょっと立ち寄り、四季折々の味を数個買ってスタッフとともに神楽坂談議をしながら楽しんでいる。